せんせい通信09年01月号 PDFファイルはこちら
ピグマリオン効果?指導者の想いは伝わる?
アメリカの心理学者ローゼンタールらがある実験をしました。
まず、小学生に普通の知能テストをさせ、その結果を担任の教師に、「知能テストを行い将来の学力の伸びる子を予測しました。先生にだけ、将来伸びる子の名前を教えましょう。」と伝えました。しかし、そこで名前が挙がった子は知能テストの結果に関係なく、ランダムに選ばれた子でした。担任の先生は、教えられたことを信じて、子どもたちに接し続けました。それから1年後、学力検査をしたところ、名前を挙げられた子は、そうでない子に比べて明らかに成績が上がっていました。
この実験では、期待することによって、相手もその期待にこたえるようになるという現象があると言うことを明らかにしました。この現象のことをピグマリオン効果と呼んでいます。
この実験については、追実験で同じ結果が得られなかったことなどから実験結果をそのまま鵜呑みにはできません。しかし、先生が期待をかければ、その期待に応えようと生徒も努力すると信じることが大切だということは言えると思います。期待をかけて、それに応えようと生徒が努力してくれたら、それこそ、家庭教師冥利に尽きると思いませんか?
↑ピグマリオン効果の語源となった神話のワンシーン
指導の工夫(コーチングシートより抜粋)
問題点:宿題を忘れてしまう、やり切らない
せんせいの改善策
・分量を一日分に小分けにして出題する
・宿題はきちんとやってあるか前もって連絡を入れて確かめる
・設定した量が多すぎたかどうかを聞いてみて、多すぎるなら量を変更する
コメント
毎日できるように宿題を提出することがすごく大切なことだと感じました。また、生徒と一緒に量を決めるということをすると、自分が決めたという自覚が生徒に芽生え、宿題をやる確率が高くなります。また、メールなどを使用して宿題をちゃんとやるように声かけするという方法もすごく効果的な方法だと思いました。
問題点:集中力に欠ける、集中できない
せんせいの改善策
・難易度、その日の集中力に合わせて、自分で目標点を設定してから解いてもらう
・速さを求めずに、まずは一問一問確実に解かせる。一度説明したらどうしても分からない所までは極力自分の力で解かせる。解けたらほめる
コメント
現状を見据えてから目標点を設定させるという方法は素晴らしいと思いました。無理しすぎても結局できないので、自分のできる範囲を把握してから取り組ませるというのは非常に合理的です。
また、一問一問確実に解かせると言うこともすごくよい方法だと思いました。少しでも前へ進んでいるという実感が得られた時に、人はがんばれるものだと思っています。また、目の前のことへ意識を集中させた方が、集中力は持続しやすいです。
「解けたらほめる」ということも非常に大切です。結果、経過の両面をほめましょう。
問題点:勉強に対して主体的ではない
せんせいの改善策
・間違えた問題について、自分で問題集から類題を見つけ出し、解けるまで何問もやってみる
・辞書や教材を隣に置いて、調べるクセをつける
・将来の目標や志望校を明確にさせ、目標や目当てを具体化させ、そのために何をすべきかという目的意識を持たせる
コメント
どうやったら一人でも勉強できるようになるのかを考えて、指導の工夫をしている様子が伝わってきました。素晴らしいことだと思います。
また、主体性を持って勉強に取り組ませるには、目標・目的・夢などはすごく大切なことです。先生自身の夢を語ったり、実際にそれを実現するために自分が何をしているのかを伝えることで、生徒の意識が変わることがあると思います。是非、本気で関わってみてください。
指導手帳ベストプラクティスの紹介
事例紹介:F.H.先生の手帳
今回もたくさんの先生に指導手帳を提出していただきました。いつもありがとうございます。このせんせい通信も皆さんの協力なしには完成しないので、いつも協力いただいて本当に感謝しています。
今回はF先生の手帳をご紹介します。生徒さんのことを非常に細かく分析していて、かつ、どのように先生として関わっていくかについても書かれています。本当に素晴らしい内容だと思いました。
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