せんせい通信10年05月号 PDFファイルはこちら
指導していく上で大切なこと
今月号は、いつもと趣をかえて、指導手帳とコーチングシートを通して感じた指導をしていく上で大切なことをお伝えしたいと思います。
1.基本を怠る事なかれ
「小学校の計算ができていない」「計算ミスが多い」という意見がたくさん寄せられています。まず、先生達に絶対に抑えておいて欲しいのは、小学校の内容というのは簡単ではなく、かつ、非常に重要と言うことです。算数ができなくなる小学生の多くは小数点、分数、最小公倍数、約数から躓きはじめ、小学5?6年生で学習する割合、比例、速さ・時間・距離でさらに分からなくなります。このあたりをしっかり理解せずに中学生になると、0.5+0.2=2.5というような誤答を出したり、比例・反比例のグラフについていくら説明しても分かってもらえないということが起こります。
基礎はすごく大切なので、徹底的にやり直す必要があります。そこでオススメなのは、「とにかく問題を解く」(K先生・K先生)ということです。しかし、これを指導時間中にやっていてはなかなか前へと進めませんから、小学生のドリルを購入し、ルーティンチェック表を活用して、毎日計算に取り組ませるとよいと思います。
2.ケアレスミスは論理的に駆除する
「ケアレスミスだから、次回から気をつけよう」では、いつまで経ってもケアレスミスは直りません。ミスが起こるのには必ず原因があり、その原因を知ることが大切です。原因を究明するためには、まず、どんなミスがあるかをリストアップすることです。リストアップには、生徒の協力も必要で、ミスをしてしまった箇所に印を付けさせたり、「自分の間違った解答は消さずに残しておき、どのような間違いが多いかを自覚させ」(K先生)たりしてください。そして、そのリストを見ながら、ミスの原因を分析します。これは、家庭教師としてのとても大切な仕事です。ただ闇雲にミスの解決をしようとするのでは、時間がかかりすぎますし、徒労に終わることも多いです。先生が論理的な分析をしてあげれば、必ず生徒の負担は軽減され、成績アップにつながります。
3.授業をデザインする
授業には楽しさということも非常に大切です。授業も、映画やミュージカルのようにエンターテイメントになれば最高です。生徒に、「授業が楽しい」と言ってもらえるためには、あらゆる工夫が必要です。例えば、「タイムを計る」(T先生)も一つの方法です。小テストや問題に取り組ませる時には時間を計ってあげると集中力が増します。その他、問題が解けたら「ハイタッチ」(T先生)したり、時に「クイズ仕立て」(T先生)で問題を出したり、工夫次第でいかようにも楽しい授業ができるようになります。
また、集中力が切れてきたと感じたのなら、「空気の入れ換えや体を動かす(ストレッチ等)」(A先生)も有効です。是非、楽しい授業になるように知恵を絞ってみてください。
4.一人でやれることを増やす
指導時間には限りがあり、全てを教えることは残念ながらできません。大切なのは、何を先生が教えて、何を生徒一人でやらせるかを決めることです。はじめは一人ではできないことも、やり方を教えれば一人でもできることは増えていきます。一人でできることを増やすために、参考書・問題集も活用しましょう。生徒にあった本を選んであげれば、生徒も自分のために選んでくれた本なのだからと、粋に感じ、一生懸命取り組んでくれるはずです。
また、一度教えた「解法を忘れる」(N先生・K先生)ということもしばしば起こります。同じ事を何度も教えることほど時間の無駄はないですが、大切なことの場合、もう一度一から教えることもあるでしょう。そんな時に役立つのが、解法を「字で書いて残す」(K先生)と言うことです。解き方をきちんと順序立てて書いて残してあげれば、それを見直せば一人で勉強も進められるし、もう一度教えるとしてもそれを活用できるので時間を効率よく使うことができます。そして、生徒自身にノートをきちんと作らせることも大切です。そのために、「ノートの作り方を教える」(N先生)ことも指導していってください。
そして、ちゃんとできたらほめるようにしてください。それが、生徒にとっての大きな動機づけになります。
5.タイムマネジメントをする
「苦手教科は、つい後回しにしてしまう」(S先生)という生徒も多いと思います。また、生徒の中には忙しいから宿題がやれなかったと言い訳をする生徒もいます。彼らに共通して言えることは、時間管理がしっかりできていないということです。苦手教科を後回しにするのであれば、真っ先に苦手教科に取り組むような1日のスケジュールを一緒に作ってみてください。「お
風呂上がりなど時間を決める」(O先生)というように時間帯はできるだけ決めてあげた方が、勉強をやる確率は上がります。
どれだけ忙しいといっても、勉強をやるくらいの時間は絶対に確保できます。「平日と休日での生活リズムを見直し、受験勉強に充てる時間を確保するための日々の計画を立て」(K先生)てみてください。
指導手帳ベストプラクティスの紹介
T先生・N先生・O先生・I先生・O先生・K先生・K先生・A先生の手帳
今回もたくさんの先生に指導手帳を提出していただきました。いつもありがとうございます。いつもは一つだけ選んでいるのですが、みなさん本当に指導手帳をしっかりつけていて、一つを選ぶことができませんでした。そのため、今回は、8人の指導手帳をベストプラクティスとして選びました。N先生、S先生、O先生の手帳も紹介したかったのですが、紙面の都合上紹介できませんでした。すみません。
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