08年09月号 結果よりも経過にこだわって

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結果よりも経過にこだわって

「星の王子さま」







それはとても簡単なことだ。ものごとはね、心でなくてはよく見えない。

一番大切なことは目に見えない。

君のバラをかけがえの無いものにしたのは君がバラのために費やした時間だったんだ。

人間たちは、こういう真理を忘れてしまった。

でも、君は忘れちゃいけない



 「星の王子さま」(作:サン=テグジュペリ)の一節、キツネと仲良くなった王子さまがキツネと別れる時に、キツネが言った言葉です。これを聞いて、王子さまは、どんなに美しいバラよりも自分が一生懸命に育てたバラが一番愛おしく感じるということを悟ります。

 一生懸命やったとしても点数が採れない時があります。でも、一生懸命やったという事実は愛おしく、すごく誇らしい事実です。だから、点数が採れなかったとしても、一生懸命にやったのなら、生徒には胸を張って欲しいと思います。

 逆に結果ばかりを求め、経過を軽んじるようであればその姿勢はたしなめる必要があると思います。合格や優勝などの結果を手に入れた時、途中の苦労があるからこそ、こみ上げてくるものがあるし、感動が生まれます。だからこそ、経過は大切にして欲しいです。

 実は、目に見えない"バラのために費やした時間"が一番重要なのです。


指導の工夫(指導進捗報告書より抜粋)


問題点:計算ミス・ケアレスミスが多い

せんせいの改善策
1回1回確認させ、落ち着いて取り組ませる
コメント
毎回問題点としてあがるのがこの問題ですね。計算ミス・ケアレスミスが多いのは演習量不足の場合がほとんどです。演習量不足解消には、毎日計算問題に取り組ませるようにすることが効果的です。計算問題を1日単位に分けて宿題としてやらせてください。また、時間を計ったり、百ます計算をさせたりすることは効果があります。

問題点:苦手分野に取り組んでいる時、少し集中力が落ちてくる

せんせいの改善策
苦手分野ばかりを長時間連続でやらせないようにする
コメント
長時間連続で同じことをやらせないという指導方法は大変素晴らしいです。時間を15分から30分程度の細切れ時間にして、分野を切り換えながら勉強するという方法は効果的だということは実証されています。また、指導中だけでなく、生徒が一人で勉強する時も、細かく時間を切って勉強できるようにアドバイスをしてあげると、もっと効果的に勉強を進められるようになりますよ。

問題点:四則計算のミスが多い

せんせいの改善策
授業中も、しっかり計算をさせて、数多く解かせて慣れさせる
コメント
数を解かせることは非常に大切です。毎日、計算問題に取り組めるように1日単位で宿題を出してみてください。

問題点:自分が得意な分野ばかりをやりたがる

せんせいの改善策
生徒が苦手分野もやりたくなるような工夫をする
コメント
現状を受け入れて、その中で工夫を仕様としている先生の姿勢が素晴らしいと思います。身近な例などをうまく活用して、色々な分野に興味を持てるような話をしてあげてください。

問題点:すぐ答えだけ知ろうとする

せんせいの改善策
答えよりも答えにたどり着く過程が大事だと伝える
コメント
過程は本当に大切です。過程の重要さに気づかせるために、ノートに過程をきちんと書くように、しつこくしつこくアドバイスを続けてください。

指導手帳の書き方ワンポイントアドバイス

 前回の指導を振り返って、引き出された改善点を次回の指導に生かすことが非常に重要です。反省・改善は毎回毎回やることが一番効果的です。「次回の私へのメッセージ」「指導方針・今回のひと工夫」の欄を、反省・改善のために利用すると、指導力アップにつながります。



指導手帳ベストプラクティスの紹介


事例紹介:S.H.先生の手帳

 今回提出していただいた手帳も、大変よく書き上げられたものがたくさんありました。今回は、S.H.先生の手帳をご紹介します。すごく丁寧に書いてありました。
 全ての項目について細かく書かれていました。「次回の私へのメッセージ」欄にも具体的な記述が書いてあって、そこを見るだけでも、次の指導のクオリティは高くなるだろうなぁと感じました。

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