15年11月号 教育経済学から見た子育ての新常識

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教育経済学から見た子育ての新常識



「『学力』の経済学」(著:中室牧子)という本を読みました。大変面白い内容がたくさん含まれており、その中で特に紹介したいと思った部分を抜粋してお伝え致します。

「ご褒美はアウトプットではなくインプットに対して、 遠い将来ではなく近い将来に与える方が功を奏する」

「テストで前回テストよりも点数が上がれば、お小遣い2,500円あげる」(アウトプットに報酬)よりも、「本を一冊読んで、内容を問う短いテストに正答できれば200円」(インプットに報酬)という方法の方が、より効果を上げることができるそうです。理由は、人は「目の前の利益を優先する」性質を持っているためです。「ダイエットをして、将来5kg痩せていたい」という願望よりも、「目の前のケーキを食べたい」という願望が勝ちダイエットに失敗してしまうのは良くある話だと思います。

また、「インプット」にご褒美を与えられた方が何をすべきかは明確で行動がしやすいため、効果が高くなるとのことです。上記の例だと、「インプット」としてやるべきことは"一冊本を読むこと"で具体的です。一方、「アウトプット」にご褒美を与えられた場合は、何をすべきか具体的な行動は示されてなく、行動を起こしづらいです。

また、ご褒美を与えることによって、子どもの「勉強をする楽しさ」を失わせることはないようです。小学生以下であればお金よりもものの方が喜ぶ傾向が強いようなので、トロフィーなどのものでご褒美をあげるとよいと思います。
「子どもをほめるときには、「あなたはやればできるのよ」ではなく、「今日は1時間も勉強できたんだね」「今月は遅刻や欠席が一度もなかったね」と具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要です。そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子どもに育つというのがこの研究から得られた知見です。」

 これも面白い知見です。親御様と話をしていると「うちの子、やればできるんですよ」という言葉を良く耳にします。将来のことを褒めるのではなく、今できたこと・やったことを認める方がはるかに効果が高いようです。毎日、子どもの成長を見届けて、良かったことをできるだけ具体的に子どもに伝えるようにしてみてください。直接言葉で伝えるのが難しいなら、手紙でもご褒美シールでもいいです。「今日は勉強30分もできて、すごい!」と伝えてみてください。

 非常に面白い本なので、皆さんも是非読んでみてください。きっと子育てについて目から鱗が落ちるような事実に出会えると思います。


最近のGUTS!!

先日、所属する岐阜県学習塾協会主催の私立高校の先生方との懇親会に出席してきました。これから変わっていくであろう大学入試制度についての話で盛り上がりました。英語は4技能が重視されるようになるでしょうし、入試全体としては一発テストではなく、習熟度を測るテストに変わっていく可能性が高いです。高校の役目としては、大学に入学できる人材を育てることも大事ですが、それだけではなく、地域で活躍する人材を育成することもより重要になると感じました。

 

会員様の声

やはり英語が苦手です。普段の予習復習がやれておらず、本人もそれは自覚しております。普段の英語の勉強の仕方のアドバイスをよろしくお願い致します。(高校1年生)

→ コメントありがとうございます。勉強の仕方を身につけることが一番大事だと思っておりますので、どのようにすれば英語の勉強が効率よくできるようになるのかについてこれからも伝えて参ります。

いつも、本当に根気よく教えてくださりありがとうございます。最近宿題は算数、漢字を日にちをかえて自分で行っています。計算も分かってきている事が嬉しい様で手は使ってしまうものの数えながらやっています。本当にありがとうございます。m(_ _)m(小学5年生)

→ 良い結果が出ているようでよかったです。「分かってきている事が嬉しい」というのは私たちとしてもとっても嬉しいことです。今後とも何卒よろしくお願い致します。

最近、友達に勉強を教えてあげているそうです。びっくりしましたが、きちっと理解しているんだと思いました。(中学1年生)

→ 大変素晴らしいことで、私たちもすごく嬉しい気持ちになりました。人に教えることが一番勉強になるので、是非これからも続けてもらえると嬉しいです。

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