11年03月号 家庭教師自身が、生徒の成長を妨げる壁になっていないか?

せんせい通信11年03月号 PDFファイルはこちら

家庭教師自身が、生徒の成長を妨げる壁になっていないか?

「目標線に達していなくても、怒っちゃいけない、叱っちゃ いけない。
怒ると、そのうち担当がウソを言い始める」

 日産自動車の電気自動車「リーフ」の開発プロジェクトリーダー門田さんが言っていた言葉です。この電気自動車は日産にとって、戦略的にすごく大事な自動車で、その開発プロジェクトに与えられた期間も通常より1〜2年短い、3年でした。時間がないので、上司としては、担当者の作業進捗が思わしくなかったら、叱りたくなるでしょう。しかし、門田さんはぐっとこらえて叱らず、どうすれば目標線に近づくことができるかを一緒に考え、対 策を実行していったそうです。



 家庭教師として生徒の指導をしていて、故意にしろ、無意識にしろ、生徒がウソをついていたという場面に出くわしたことがある先生は多いのではないでしょうか?かく言う私も、今担当している子がウソをついたことがあります。ウソは、ウソをついたその子が悪いのは間違いないですが、一方で、ウソをつきたくなるような空気を自分を含めた周りの大人が作っていたのではと思いました。「起こったことを執拗に責め続けていなかったか?」「親御さんと一緒になって、ダメなところを指摘しまくっていなかったか?」「追い込みすぎていなかったか?」と自問自答しました。少なからず、心当たりがありました。猛省して、それから接し方を変えました。起こったことについては絶対に責めないことにしました。また、「今できなくても、できるようになる。私が必ずそうなるように導く」という言葉を生徒にかけ続けるようにしました。

 私たち家庭教師は、生徒の様子を見て、その子の気持ちを読み取らなければなりません。大変難しいことですが、それをやらないことには、授業態度が良くなったり、成績がアップすると言うことはなかなか為し得ないです。大人目線で課題などを押しつけるのではなく、生徒の目線に立ち、生徒との対話の中で解決の糸口を見いだし、実行に移していくことが大切と思います。家庭教師自身が、生徒の成長を妨げる壁になっては絶対にいけません。



<ケースメソッド>

 先生から頂いた改善点を元にケースを作成し、そのケースに対する対応策を頂いた改善策をベースに作成しました。そのため、複数の先生の意見が1つのケースとしてまとめられていることをご了承ください。  各ケースに対する対応策は、担当教師のつぶやきとして記載しました。他の先生が実践している対応策です。同じような改善点を抱えている先生は、是非自分に置き換えて、その対応策を実践してみてください。

ケース1.中式を書くことを怠り、計算ミスをする



計算ミスが多い。原因は色々あるのだが、一番気になるのは、途中式を書かないことだ。途中式を書くようにとは何度も言っているが守ってもらえない。タダしつこく言うだけでは能がないよなぁ。何か良い方法は・・・。途中式をある程度作っておいて、穴埋めさせていくようなプリントを作るのはどうだろうか?これをやれば、途中式の書き方も掴める気がする。課題を出すときには、途中式を3行以上書くこととかルールを設けたらどうだろうか?小テストの時も、答えそのものに点数を出すのではなく、途中式にたくさん点数を出したりすれば、途中式を書こうという気持ちが少しは生まれるんじゃないかなぁ。よしっ!やれそうな対策を考えて、一つ一つ実行していこう。

ケース2.テスト対策が不十分で、点数が悪い



テストの点数が悪かった。原因は、明らかに勉強不足。今回は計画もろくに立てられなかったから、それが響いているんだろう。計画って、立てろって言われて立てられるものではないから、まずは一緒に立てるようにしよう。はじめにやることは、何をやらなければいけないかを明確にすること。テスト範囲を予想し、ワークのどの問題を解いて、どの問題を解かないかを決めてしまおう。それから、計画はできればテスト3週間前には作ろう。月間スケジュール表にいつ何をやるかを書き込もう。こうやって計画を立てることを2回、3回とやっていけば、少しずつそのコツも掴めていくだろう。

指導手帳ベストプラクティスの紹介

Y先生の手帳

 今回もたくさんの先生に指導手帳を提出していただきました。いつもありがとうございます。今回も良く書けている指導手帳が多かったです。書くことは面倒くさいものですが、指導力アップにつながることも事実です。書くことに大切さを実感してもらえている結果だと、私たちも大変うれしく思っています。
 今回は、Y先生の手帳を紹介します。とにかくたくさん書いてあります。文字から生徒の成績アップをサポートしたいという思いがびしびし伝わってきました。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.12

このアーカイブについて

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。