09年06月号 図や文字を書いて指導すれば、指導力向上!

せんせい通信09年06月号 PDFファイルはこちら

図や文字を書いて指導すれば、指導力向上!

指導手帳を読んでいると先生たちのたくさんの工夫が目にとまります。ある先生は、小学生の生徒にメモリーツリーという手法を取り入れ、絵と文字をノートに書いて勉強するように指導しています。またある先生は、もっと指導を分かりやすくするために図などを書きながら説明するように心がけています。

 このように書いて説明すると言うことは非常に大切なことです。誰でも書いて説明していると思いますが、書くということをもっと意識して指導をするとより効果的な指導ができるようになります。

 例えば、自分の部屋の間取りについてその部屋を見たこともない友人に説明する場合、「言葉だけで説明する場合」と「言葉で説明しながら紙に図を描いて説明をする場合」では、どちらが相手に伝わると思いますか?考えるまでもなく、間取り図を使って説明した方がより的確に自分の部屋の説明をすることができます。

 なぜこのようなことが起こるかというと、図や絵は言葉に比べて4倍の情報量を持っているためです。1分間に言葉だけで説明したら400文字分の情報量ですが、1分間に絵も交えて説明すると2,400文字分の情報量になります。このことからも、書いて説明する方が効果的と言うことができます。


 言葉と図や絵で説明した方が、記憶にも残ります(図1参照)。5日後の記憶量は、言葉だけの場合では、10%弱ですが、言葉と図表を利用した場合では、60%強です。言葉だけの場合と言葉と図表を利用した場合との差はなんと6倍以上です。

 このようにノートやコピー用紙に書きながら指導を進めることは大変効果的です。また、実際書いたものは、先生は持ち帰らずに、生徒の机に置いていきましょう。殴り書きで書いたものでも、生徒が一人で復習をしようとした場合、それは必ず生徒の助けになります。

指導進捗報告書(コーチングシート)から

改善点を書き出し、「どのようにすれば○○は改善されるだろうか?」と自分に質問をして考えると、問題解決へ大きく前進します。「なぜできない!?」から「どうすればできる?」と質問を変えるだけで、気持ちは前向きになり、多くの解決策が見つかります。このアプローチをSolution Focused Approach(SFA)といいます。SFA的視点を大事にして、一つ一つ改善していきましょう。
 学ぶことはまねること。是非、他の先生の指導の工夫を自分の指導に取り入れてみてください。

指導の工夫(コーチングシートより抜粋)

問題点:学習量がまだまだ少ない

せんせいの改善策
・やることを具体的にし、毎日の宿題の量を一緒に決める(I先生、T先生)
・毎回チェックテストをする(N先生)
・お母さんにルーティンのチェックを手伝ってもらう(M先生)
・目標と現在地のギャップを伝えて、やる気を引き出す(OY先生、OH先生)
コメント
先生がいなくても勉強をするようにならないとなかなか成績は伸びません。そのため、学習量を増やすことはとっても大切なことです。どの先生も色々な工夫をしていて大変素晴らしいと思いました。毎日の宿題量を決めるとやるべきことが明確になるので取り組みやすくなります。また、お母さんにチェックだけ手伝ってもらうのも大変よい工夫だと思いました。

問題点:基礎学力をもっと身につけてほしい

せんせいの改善策
・英単語を何回も書いて覚えてもらう(I先生、K先生)
・指示語には印をつけるようにして、指示語に意識が向くようにする(IN先生)
・何度も同じ問題を解かせて、公式を定着させる(K先生)
・毎日九九・わり算をルーティンで取り組ませる(M先生)
コメント
計算力にしても、英単語力、漢字力にしても、毎日コツコツやることが大切です。そして、先生が粘り強く諦めないで働きかけることによって徐々に身についていくものだと思います。どの先生から粘り強く指導している印象を受け、すごく心強く感じました。

問題点:ノートの取り方が悪い

せんせいの改善策
・ノートの取り方について教え、改善点も指摘する(MS先生)
・学校のノートの大切さに気づかせる(IN先生)
コメント
まずはノートの取り方という方法を教えること、そして、生徒が身にしみてその大切さを感じさせるように働きかけることが大切です。先生自身が小中学校、高校の時に作ったノートを見せてあげるのもよいかも知れません。

指導手帳をもっとうまく使いこなす術

「ひと言」には指導への意気込みなどを書いてみましょう。意気込みなど自分を奮い立たせる言葉を投げかけることをメンタルトレーニングでセルフトークと言います。一流のスポーツ選手は誰もが取り入れている手法です。簡単にできるので、是非、実践してみてください。

指導手帳ベストプラクティスの紹介

事例紹介:M.T先生の手帳

今回もたくさんの先生に指導手帳を提出していただきました。いつもありがとうございます。おかげで、今月もせんせい通信を作ることができました。
 今回はT先生の手帳をご紹介します。生徒さんが自分一人でも勉強できるように努めている様子が良く伝わってきました。また、指導の工夫も率先して行なっていて、手応えを感じている様子がとてもうれしく感じました。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.12

このアーカイブについて

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。