09年08月号 授業はエンターテイメントだ!

せんせい通信09年08月号 PDFファイルはこちら

授業はエンターテイメントだ!


 私も、小・中・高校、そして、大学とたくさんの授業を受けてきました。面白くない授業もたくさんあって、寝て過ごしたことも。。。。もしかすると、みなさんの中にも、身に覚えがある方もいらっしゃるかも知れません(笑)

 面白い授業を行える先生は授業をエンターテイメントと捉えて、配布するプリントや話す内容などを周到に準備してから臨んでいます。また、体をフルに使って、身振り手振りで教科の内容を伝え、時には教室にある机とか窓とかいろんなものを使って語ってくれます。だから、私たちの記憶にも残っています。逆に面白くない授業は、ただ単に淡々と行なわれていくだけ。

 エンターテイメント性の高い授業が記憶に残りやすいことには、脳科学的にも理由があります。記憶は、"意味記憶"と"エピソード記憶"に分けることができます。"意味記憶"は、「本能寺の変は1582年」というように年号を覚えるなどの情報そのものを記憶することです。"エピソード記憶"は、「家族旅行で長野に出かけ、リンゴを食べた」というように自分が経験したエピソードを情報として記憶することです。そして、人の脳は意味記憶よりもエピソード記憶の方が覚えやすい仕組みになっています。そのため、エンターテイメント性の高い授業は記憶に残りやすいのです。

 夏休みも終盤です。夏休みでだらけてしまい、学習意欲が感じられない生徒もいると思います。そんな時は、授業準備をしっかりして、エンターテイメント性の高い授業を行なうように指導の工夫をしてみましょう。そうすれば、生徒の学習意欲も向上し、記憶に残りやすい楽しい授業になると思います。

指導進捗報告書(コーチングシート)から

「なぜ、○○ができないんだろう?」ではなく、「どうすれば、○○をできるようになるだろうか?」というSolution Focused Approach(SFA)で生徒のことについて考えてみましょう。SFAで考えてあげた方が、より多くの建設的な解決策が思いつくと思います。

指導の工夫(コーチングシートより抜粋)

問題点:学習意欲がない、態度が受け身

せんせいの改善策
・質問タイムを意識的に設けて、自ら不明点を克服する姿勢を持たせる
・現在地と目標のギャップを見せ、危機感をあおる
・毎日分量で宿題を出す
・嫌いなことに少しでも取り組めるように勉強の工夫を一緒に考える
コメント
夏休みは、学習意欲が急降下する時期でもあります。なんとか意欲を引き出そうと奮闘する先生もたくさんいて、うれしく思いました。大切なのは、自主性を引き出せるように働きかけながら、勉強法などのアドバイスにも真剣に乗ってあげることです。本気で関われば、必ず解決方法が見つかります。

問題点:難しい問題を目の前にすると思考がストップする

せんせいの改善策
・まずは、何でもいいから書いてもらう。グラフなどの図を書いてもらう
・様々なヒントを与えて、最後まで考えさせる
・「できたら差がつくよ」と言い、できなくても気にしなくていいと伝える
コメント
難しいと決め込んですぐに諦めてしまう子は多いと思います。何か書けば、解決策が見つかるので、グラフなどをとりあえず書かせることは非常によいことだと思いました。また、様々なヒントを与えて、最後までサポートする姿勢は家庭教師として素晴らしいことだと思いました。「できなくても気にしない」というような言葉をかけることは、やる気を引き出す素晴らしい言葉です。最後まで諦めないように言葉をかけ続けてください。

問題点:生徒手帳に取り組めていない

せんせいの改善策
・書くように粘り強く働きかけ続ける
・生徒手帳の意義を伝えて、書くことの意味を理解させる
・ルーティンの大切さを伝えて、毎日やるように声をかける
コメント
生徒手帳に取り組むことは誰にでもできることです。でも、それを毎日続けることは至難の業。日誌を書くと、心が整理され、大切なことを記憶に留めることができます。ルーティンは、毎日継続することで、簡単にはあきらめない心を身につけることができるようになります。これからも、生徒手帳の意味を生徒に粘り強く伝えていってください。

指導手帳をもっとうまく使いこなす術

「指導方針・今回のひと工夫」欄は、前回の「次回への私へのメッセージ」欄を参考にして、書くようにしましょう。そうすることによって、前回の反省をふまえた指導を行え、より質の高い指導をすることができます。質の高い指導ができれば、生徒からの信頼も厚くなります。手帳を指導力向上のツールとして活用してください。

指導手帳ベストプラクティスの紹介

事例紹介:Y.O先生の手帳

 今回もたくさんの先生に指導手帳を提出していただきました。いつもありがとうございます。おかげで、今月もせんせい通信を作ることができました。
 今回はO先生の手帳をご紹介します。「指導方針・今回のひと工夫」は指導の工夫も含めて書かれており、また、「実際指導したこと」が具体的に書かれておりました。具体的に書くことは指導力向上につながります。大変素晴らしいことだと思いました。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.12

このアーカイブについて

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。