10年07月号 指導していく上で大切なこと

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指導していく上で大切なこと

先月号が大変好評だったため、今月も先月号と同様に、指導手帳とコーチングシートを通して感じた指導をしていく上で大切なことをお伝えしたいと思います。

 

1.文章題は解き方手順を教えて、小さな階段に変える



 計算問題などの基礎的な問題は解けるのに、文章題になると全く歯が立たなくなる生徒さんはたくさんいます。中には、「文章問題は嫌い!」と公然といい取り組むことを拒否する生徒さんさえいます。なぜ彼らが文章題ができないかと言うと、文章題をとりつく所の分からない高い壁と認識してしまうからです。その状況を打破して、文章題に取り組んでみようと思わせるには、高い壁をステップの小さな階段に変えてあげる必要があります。



そのためには、1.問題を解くのに関係しそうな数字に丸をつける、2.「図やグラフを書いて、ビジュアル化する」(T先生)、3.簡単な数字に置き換えてみる、4.式を立てる、、、というように手順を示してあげると取り組みやすくなります。そして、問題ができたら「その手順を生徒自身にまとめてもらう」(N先生)とさらにやり方を理解できるようになります。このとき、文字でまとめることがスッとできない生徒も多いので、そういうときは、口頭で説明をさせて、その内容をメモしてあげるという手助けをしてあげるとよいと思います。

 

2.計算ミスはコツ伝授+演習量増で対応しよう



 今回最多の13人の先生が「計算ミスが多い」という問題点を挙げていました。計算ミスを減らすためには、速く計算ができる「計算のコツを教えたり」(K先生)、「途中式をしっかり書かせたり」(G先生、K先生、I先生)することが大切です。また、四則演算において下一桁だけ計算させるなどの検算のやり方を教えるとより計算ミスは減るでしょう。計算ミスを見つけたら、「逐一言う」(A先生)ことも大切ですが、さらに一歩踏み込んでどういう計算ミスが多いかをまとめたミスリストなどを作ってあげるとより成果をあげられます。

このように対策は色々ありますが、計算ミスの主な要因は演習量不足が一番の原因であることが多いので、演習量を増やすことが最も大切なことです。小学校で習う小数や分数というのは、算数・数学が苦手な子にとっては、大変難しい概念なので、侮らずに小学生のドリルなどを活用してたくさん演習をしてもらうとよいと思います。



3.自らの指導法を見直して、生徒の集中力アップ

 「30分?45分で集中力が切れる」(T先生)というように集中力が続かない生徒も多いです。そもそも集中力というのはそんなに長い時間持続するものではないので、そういうものだとまず受け入れることが大切です。そしてその上で、「どうすれば10分でも長く集中させられるか?」と自問してみて、自分にできる改善策を考えてみると良いと思います。「制限時間を設けて問題を解かせる」(N先生)、「説明する時間を減らして、生徒に考えさせたり説明させたりする時間を増やす」(M先生)などの指導の工夫をしてみたり、TVのクイズ番組のように出題してみたり、問題が解けたらハイタッチをする(H先生)などエンターテイメント性を持たせて楽しい授業をするように心がけましょう。「この子は集中力が続かない子だなぁ」と嘆くのではなく、「どうすれば集中して授業を聞いてもらえるようになるか?」と自分自身にベクトルを向けるとたくさんの解決策が見つかると思います。

Good JOB - コーチングシート実践例

 実は、自分の目の前に現れる問題の答えはあなたが気づいていないだけで自分の中にあるものです。そして、答えを探すときには、主語を自分にして、「いつ」「何をする」が明確になるように考えると答えが見つかりやすくなります。今回頂いた改善策の中にも実践思考で考えられたすばらしい改善策がいくつもありました。その一部を下記にて紹介します。









指導手帳ベストプラクティスの紹介

M先生の手帳

今回もたくさんの先生に指導手帳を提出していただきました。いつもありがとうございます。今回も充実した内容のものばかりでした。一生懸命指導している様子が手帳からも伝わってきて、本当にうれしかったです。ありがとうございます! 今回は、M先生の手帳を紹介します。「指導すること」欄も「実際指導したこと」欄も、そして、「次回への私のメッセージ」欄も、非常に具体的に書かれていて本当に素晴らしいと思いました。

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