11年11月号 教科指導を通じて、考える力を養う

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教科指導を通じて、考える力を養う

私はよく生徒に「しっかり考えて。キミならできる」と声をかけます。問題自体を解くことよりも考えることの方が大事で、ただ単に解き方だけ覚えて良い点数を取ったとしても、それはその子の将来において役立つことはないと思っているから、このような声かけを行います。おそらく、先生方の多くがこのような想いを持って指導に当たっていると思います。では、なぜ私たちは生徒に考えてもらいたいと思うのでしょうか?それは、まず、考える力を鍛えると、生徒が問題を論理的に解けるようになるのはもちろん、自分自身のミスや欠点を直視しその原因を自分自身で論理的に突き詰め修正することができるようになるからです。また、これからの社会で必要とされる人は、指示待ち人間ではなくて、自分で物事を考え行動する人だと言うこと(就活を控えた学生の皆さんは身をもって感じていると思います)は間違いなく、そんな社会を渡っていける力を身につけて欲しいと願っているからです。

考える力を家庭教師の指導で養っていく時にまず大切なのは、「諦めさせないこと」です。考えさせようとすると、すぐに諦める子がいます。その状態にしないためには、生徒への声かけが大切になります。「大丈夫、キミならできる!」「みんなも難しいと思ってる」など色々な言葉をかけると、諦めずに頑張ろうという意志が沸いてきます。しかし、声をかけることで諦めずに考えていてくれたとしても、どのように考えればよいかが分からなければ、考え続けることはできません。そこで、考え方をこちらから丁寧に教えます。どのように解けば解けるのかの手順書を作成し、それを実践させ、どうしてそういう手順で取り組まなければならないのかの説明を加えていきます。手順書などを書いて、生徒の手元に残しておくことはすごく大切です。なぜなら、それがあれば一人でも考えることができるようになるからです。

また、考えさせる時には、ただ黙って考えさせるのではなく、手を動かすように伝えてください。手を動かし、ノートに図を書かせたり、情報を整理させたりすると、頭が整理されます。また、書くという行動をすると、脳の前頭前野が活発になります。前頭前野は、物事を考える機能を司る器官です。前頭前野が活発になれば、さらに深く考えることができるようになるでしょう。





自宅学習の時間を増やす指導法

ここでは、明日の授業にすぐ使える指導法をお伝えします。

1.宿題を日分けにして出す
一週間の分量で宿題を出すよりも、小分けにして出した方がやってもらえる確率は高くなります。指導に行ったときに、1週間の宿題予定表を一緒に作成して渡しましょう。特に、小学生を指導している先生には、この方法をオススメします。毎回一緒にやることを決めていくと勉強の習慣が身につきます。

2.少しずつ増やしていく(アイデア提供:H先生)
いきなり大量の宿題を出すのではなく、はじめは少なくしておいて少しずつ多くしていきます。中学生・高校生は受験期に必ず長時間の勉強を強いられるので、それに耐えられる体力を少しずつつけさせないと受験期の勉強量に耐えられなくなります。

3.一日スケジュールを一緒に作る(アイデア提供:S先生)
「忙しくて勉強できない!」という子がいます。でも、実際にスケジュールを書き出せば、意外に時間は見つかるものです。スケジュールを作るときには、必ず起きる時間と寝る時間を決めさせてください。そうすることで、よりよい生活リズムを刻むことができるようになります。

4.参考書・問題集を指定する(アイデア提供:W先生)
手元にあるワークで不十分な場合、新しい参考書・問題集を購入して、そこから宿題を出しましょう。生徒の自発性に任せて購入してきてもらっても良いですが、なかなかそうならない場合は、先生側から指定することが必要です。問題集を選ぶ際には、解答が厚いものを選ぶのが鉄則です。

5.手作り模試を渡す(アイデア提供:S先生)
先生自らで手作り模試を用意します。模試の範囲と日程も先生が決めます。その範囲と日程を生徒に渡し、日程通りに受験してもらいます。模試を受験したら、採点をしてもらい、結果をメールしてもらうとよいですよ。

指導手帳ベストプラクティスの紹介

M先生の手帳

今回もたくさんの先生に指導手帳を提出していただきました。いつもありがとうございます。今回も充実した内容のものばかりでした。一生懸命指導している様子が手帳からも伝わってきて、本当にうれしかったです。ありがとうございます!
今回は、M先生の手帳を紹介します。全てが具体的に書けていて素晴らしい内容だと思いました。生徒さんのために役に立ちたいという気持ちが伝わってきて、読んでいて凄くうれしい気持ちになりました。

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